Lemon tea
紙パック ―ヒロトside―

6月下旬。

梅雨明けでカラッと晴れた青空を窓から眺めていた。


「ヒロ、手止まってっから」


正面でカリカリとシャーペンを動かす黒縁メガネ。

こいつ、こんなに勉強して飽きないのかよ。


「なー、そろそろ帰ろうぜ~」


ってさっきも言ったけど。
陸久(リク)は顔もあげずにもうちょっと、と繰り返す。


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