不良のたまり場
私は一人…。
立ち去ろうとすると
奥のほうに古びたドアを見つけた。
ここ…?
私はドアノブに手を伸ばし
ゆっくりと回し押してみた。
開いている…。
ゆっくりと開くと
そこは人が生活しているような
部屋になっていた。
古びたインテリア。
一見、何年も住み着いている年寄りを想像するが
テーブルの前に座ってマグカップを持っていたのは
二つ結びの小柄な女子高生だった。
「座れば」
硬直する私をじろりと見てから
自分の向かい側の席を目で示した。
私は何も言わずそこに座る。
「コーヒー飲める?」
「はい…」
先輩かも後輩かも分からない
彼女は近くにあったマグカップに
やかんのお湯を注いで差し出した。
もう作っておいたの?
もしかして私が来ると
分かってた…なんて
有り得ない事を考えてしまった。
「熱いからヤケドしないでね」
「はい」