不良のたまり場
テーブルの上で両手で
軽くマグカップを包み込む。
冷えていた指先が過敏に反応して
じんじんと痛み出す。
「ここって…」
「不良のたまり場」
「え」
つい“不良”と聞いて
眉をそめてしまう。
彼女はずずっと小さな
音をたててコーヒーを飲む。
「…っていう生徒の休憩場だよ。
大丈夫、不良はこの時間には来ない。」
“休憩場”
私がたどり着いたの場所が
休憩場。
これは単なる偶然なのだろうか。
私も休憩したい。
もう疲れた。
何もしたくない。
…ずっとここを求めていたんだ。