不良のたまり場


ざわざわと暑さを訴えつつ
爺さんの話が終わってから
生徒たちはここよりも涼しい
外へと出ていく。

俺も外へ外へと促す。

やっと外に出ると
小さな風がやってくる。

うーん…ゆるい…。

期待はずれな風に
萎えていると
誰かと目が合った。

「―――」

それはどっかの教室のベランダで
彼女は凛とした姿で俺を見ていた。

俺…というか生徒たち。

背は小さめでセミロングのストレート。
笑っても泣いてもいない顔で
こちらを見ていて、つんとしていた。

俺はそんな彼女に惹かれた。

< 5 / 90 >

この作品をシェア

pagetop