不良のたまり場

「私とあんたは赤の他人。
あんたがその気じゃなければ
あんたと私はもう会わないだろうね」

そう言って彼女はまたコーヒーをすする。


「私は同情するつもりもない。
慰めるつもりもない。

だから変なプライド捨ててなけばいいじゃない。」


つんとした声。
だけどその言葉に
安心できた。

プライドを捨てていい。

涙を止める必要はない。
しゃくり上げながら
全てを吐き出した。

「私ね…フッたんじゃなくてフラレたんだ…」

友達の前で捨てられなかったプライドが嘘をついていた。


「一番最初に付き合った彼氏とよりを戻したんだ。

そいつには何回も裏切られた。

でも付き合ってから“やっぱりこの人のこと好きなんだな”って分かった。


だけど…

だけど…」
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