不良のたまり場

私はいつの間にか
眠っていた。

起きたときには
頭痛がしてぼーっとした。
薄い茶色の毛布が肩からかけられていた。

彼女を探そうと周りを
きょろきょろ見渡すと
彼女は晴れたベランダで
涼しそうな風を浴びていた。


不思議。


私は目の前に置いてある
あれから口を付けていない
コーヒーをすすった。

もう冷たくなっていて
苦さが増したような気がした。


ふとブレザーのポケットに入っている
ケータイを手にする。
友達からの新着一通
それを見て笑みがこぼれた。


「おつかれさま」


きっとこれから
聞き飽きるほど
この言葉を聞くだろう。


私はもう一度
苦いコーヒーを少しすすった。




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