不良のたまり場
「なぁ、さくら」
俺は壁に突き刺すさくらの
腕をぐっと掴む。
さくらは一瞬ひるむが
またいつもの睨みをきかせる。
かわいい
こいつは強がっている。
プライドで自滅しそうで
本当はもの凄く弱い。
この細い腕も俺が
もっと強く力を入れたら
すぐにポキンと折れてしまいそうだ。
お前に必要なのは
俺みたいな完璧な男だ。
…それが違うのか?
「あ、時間だ」
パッと横にかけてある
時計を見て俺から離れ
お茶の準備をする。
否定された気分だ。