不良のたまり場
「じゃあここが母校なんだ?」
「はい。あ、でも、中3になる手前で
ここに転校してきたんでちょっとだけ
ですけど…。もしよければ案内しましょうか?」
しめた!!
この言葉を待っていた。
「ぜひ」
俺達は中学校へ乗り込んだ。
しかしやはり手掛かりが少なすぎた。
「うーん、セミロングで背が小さくて
この前の説明会に来てくれた子?
思い出せないなぁ…」
須山さんの元担任だった先生に聞いてみたがダメだった。
そりゃそうか。
「あ、そういやタキさんが
卒業生の子と話ができたって
言ってたっけ」
「そのタキさんっていうのは?」
「掃除用務員の滝さん。
何十年も前からここで働いてて
生徒からには人気があるんだ。
たぶん中庭で落ち葉を片付けているから
行ってみなよ」
もしかしたら本当に分かるかもしれない。
小さな希望が見えた。