不良のたまり場


滝さんというのは歳老いたおばさんであった。
中庭で作業着を着て
箒で落ち葉を集めていた。

ただ尋ねるのも悪いので
俺と須山さんはそれぞれ
箒を持って手伝いをしながら聞いた。

「ああ、来たねぇ。

変わってなくてすぐに彼女だと気づいたよ」

サッサッと落ち葉を掃く音がリズムよく聴こえる。


「彼女の名前は?」

「なんだったかなぁ。

顔は覚えていても名前までは覚えてないなぁ〜」

俺と須山さんはがっくりする。
名前が知りたいんだよ!

「あ、確か図書室に行けば卒業アルバムがあるわよ」


今度は図書室か…。
もぅ俺は捜す気力がなかった。

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