不良のたまり場

女子が手持ちの小さな鏡を見せる。
そこに映る俺は銀色のメッシュの
ヘアースタイルになっていた。

「なかなかイケてるだろ?」

「お前がやったのか?」

「ああ」

フフッと得意げに笑う。
肩が濡れているのは
整髪料を流したためか。

「なんでだよ?」

「惚れたから」

女子はしゃがんで
覗き込むように
俺を見た。

「一目惚れだ」

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