ただ、飛べてしまっただけ。
圭太は俺の傍まで歩いて来た。
「龍兄ぃ…ごめん、キャッチボール俺から誘っといてなんだけど、やめて話さない」
圭太はその場にしゃがんだ。
俺も圭太の隣に座る。
少しの沈黙が流れた。
圭太はどこか遠くを見ていて、俺もなんとなくボーッとしていた。
先に沈黙を破ったのは
圭太の方だった。
「りっちゃんはきっと、龍兄ぃのこと…好きなんだな」
今…なんて?
「え?」
いきなりの発言に俺は目を見開いて圭太を見た。
そんな俺に、
圭太も驚いた顔をする。
「え! 気づいてなかったの?」