ただ、飛べてしまっただけ。
俺が自殺した時は
なんも考えてなかった。
皆がこんなにも泣いて
いたなんて思わなかった。
こんなに哀しんでいたなんて思わなかった。
なぜだろうか。
律華の涙は一番見たくなかった。
なのに、一番泣いているアイツに謝ることしか出来ない自分が嫌になる。
「龍ちゃん、夕食の支度出来てるから行こ?」
律華は袖で涙を拭いて
無理して作った笑顔で言った。
「おぉ」
"そんな顔見たくない"
とは、言えなかった。
律華に無理して笑顔作らせてんのは、俺のせいなんだから。