ただ、飛べてしまっただけ。
# いっしょう
暗闇の中
俺の意識が戻った時、
俺は真っ暗闇の中に居た。
周りを見渡しても、
ただ、暗いだけ。
なのに、自分の姿だけは
はっきり見えた。
「文瀬 龍斗(フミセ リュウト)さんですね?」
突然、後ろから声が聞こえた。
そこには、蒼い瞳に
茶色い髪に軽い天パの
10歳くらいの小柄な
男の子が一人立っていた。
「あぁ…はい、そうですけど」
「高校2年生、17歳。 死因は自殺で、合ってますか?」
その男の子は、
字がたくさん書いてある
紙を見ながら淡々と話す。
「はい、そうですけど…」
一つ気になったことがあった。