ただ、飛べてしまっただけ。





空はすっかり夕日でオレンジ色に染まった。



「そろそろ帰って来てるかな」




俺はひまわりへと方向を変える。



雲はゆっくり流れる。

それは時間が流れている証。


"無"には時間なんてのもねーのかな?






「って"無"のことしか考えてねーのかよ」



一人でそんなことを呟く。

誰にも言えないから。
一人の時しか悩めないから。



涙が出そうになった。





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