ただ、飛べてしまっただけ。




今日は朝から怒らせてしまったけど律花へのプレゼントを買いに行こうと思っている。


指輪とかそんなカップルみたいな物は渡す気はないけどアイツが喜んで笑ってくれそうな物を。





そんなことを考えながら
俺は食堂に向かった。


ふと目をやると
そこにはひまわりに住むみんなと俺の高校の入学式の日に撮った写真が飾ってあった。



俺は少し恥ずかしそうにしていて律花は俺の腕に手を通して空いてる方の手でピースをして笑っている。


圭太はそんな律花の方を見ながらふて腐れたような…ってこの頃にはもう律花のこと好きだったのか。



俺はその写真を手に取った。





「懐かしい…」




まだちゃんと
生きていた時の写真だ…





「それ、昨日の夜、チビたちがアルバムに張ってあったの見つけたんだとよ」




いきなりの声に振り向くと
圭太がパワフルな寝癖をつけて、まだ開ききっていない目を擦りながら言った。



「顔洗って来い」



俺は圭太の話をスルーして冷たい眼差しを圭太に向ける。




圭太はあくびをしながら洗面所に向かって行った。





俺は写真を置いて朝食を急いで食べた。





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