ただ、飛べてしまっただけ。





ひまわりに着くと
幼稚園、小学校に通ってるガキたちが帰って来ていた。




それから、圭太も。




「おかえり、何処行ってたんだよ」



そう言いながら圭太は
チビたちが食べていたホットケーキを一口奪った。



「あー!けーちゃんがあたひのホットケーキたべたあ!」



すると、圭太は
もう一口食べて満足げに
舌で唇を舐めて一言。



「うまいっ!」



と、言った。



「大人気ない奴」



俺は冷たく言い捨てる。



それを気にせずに
圭太はまた質問してきた。



「で、何処行って来たんだよ。朝もなんだか急いでたみたいだったしさ」



「別に」



俺は短く返事をして
自分の部屋に向かった。






「つまんねーのっ」



圭太がそうつぶやく声を聞きながら。







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