ただ、飛べてしまっただけ。
# さいしゅうしょう
最後の土曜日
俺はゆっくりと食堂のドアを開けた。
「あ…龍ちゃん起きたんだ。おはよ」
「おぉ…」
なんつーか。
当たり前だが気まずい。
「お腹空いたよね?ちょっと待ってて」
律花も俺と顔を合わせようとせず、俺の夕飯の準備をする。
ガチャガチャと準備をする音がするが急に静かになった。
「聞いてた?よね…」
小さく律花が言った。
「あぁ…わりぃ」
俺も小さく言う。
「そっか、だよね」
へへへっと律花が力なく笑った。