ただ、飛べてしまっただけ。
死ぬか生きるかの選択肢。
当たり前だが、
こんな選択をされたのは初めてだ。
中3の頃の進路選択の時、
"これで人生が決まる"
なんて、先生に言われて
めちゃめちゃ悩んだけど。
今考えると、馬鹿らしくなる。
俺は考えた。
このままだと
俺は暗闇の中一人きり。
だからと言って、
俺は"生きたい"と思っているのか?
「どうしますか? ここに居ますか? それとも、やり残したことを果たすために生きたいですか?」
デルデは無表情で俺に問いかける。
しかし、今の言葉に
俺はまた疑問が生まれた。
「やり残したこと? 俺にはやり残したことがあるのか?」
すると、デルデは表情を一切変えずに俺の問に答える。
「はい、あなたにはやり残したことがあります。 私の口からは言えませんが、生きれば果たすことは可能」
そして、デルデは話を続けた。
「それから、もしあなたが"無"に居ることを選択した場合、新たな命を手にすることはありません」
「どういう意味だ?」
デルデは手に持っている紙に目を移し、話を続ける。
「死んだ者に新しい命を与えられることがあります。要するに"生まれ変わる"と言うことです。そして、生まれ変わることは天国に居る者しか出来ません」