ただ、飛べてしまっただけ。
"無"に居る者。
そして、"地獄"に居る者は
"生まれ変われない"
俺がここで
"生きる"と言う選択をしなければ、永遠にこの闇の中。
しかし、天国に逝ける身分でない俺が、もう一度命を手にしても良いのだろうか?
「俺は生きてもいいのか? 天国に居る者でもないのに…」
俺の言葉にデルデは
また首を傾げる。
「龍斗さん、なにか勘違いしてませんか?」
デルデの言葉に、
俺まで首を傾げた。
「あなたは天国に逝けないので"生まれ変わる"ことは許されてません。 しかし、死亡名簿に名がないため"生き返る"ことは可能なのです」
と、説明されたものの
まだいまいち意味が分からない俺。
そんな俺に顔色一つ変えずにデルデは話を続けた。
「天国に居る者が"生き返る"と言うのは赤ん坊としてまた一から人生をやり直すこと」
そして、デルデは
俺の瞳の奥を見つめた。
「龍斗さんの場合は"生き返る"んです。つまり、一からの人生でなく、今で生きてきた続きを生きると言うこと」
そして、「さぁ、どうしますか?」と、続けた。