チューして☆ダーリン







「どうしたの?破局でもした?」



そう言って、眉を下げる透くんは最近元気のないあたしを心配してくれているみたい。



「うーん。そんなとこかな」



はは、と笑って見せると何故か透くんが哀しそうにする。



その表情が先生とリンクしてまた、胸が締め付けられた。



「どうして透くんがそんな顔するの?」



「だって海……」



そこまで言ってから、透くんは何を思ったのかあたしを抱き締めた。



乱暴に強く。



だけど、変わりに胸の痛みが少し引いて涙が溢れた。


「うう〜…好きだったの…っ本気で大好きだったのにぃ…振られ、た……」



泣いて泣いて泣いて。



大好きだったよ、先生。



大好きな先生に別れを告げた。












< 54 / 60 >

この作品をシェア

pagetop