【短編】恋は魔物!?
もうすぐ家。
そんな時、マンションの前に人影を見つけた。
電灯に照らされて人影はわかるが、顔までは見えない。
男か? 女か?
どっちにしても、こんな時間にマンションの前に立たれてたら気持ちが悪いのには変わりない。
――~~~♪
誰だよ? そう思っていた時に携帯が鳴り、取ると高い声の女からだった。
《哲君、覚えてるー?》
なんて言われて適当に相槌をうつ。
勿論、覚えてるわけがない。
最近、毎日のように遊んでて、誰が誰だか正直わかんねー。
《私ね、哲君に本気なんだぁ。良かったら今度2人で会ってくれない?》
「あー、うん。いいけど」
話しながら、マンションの下へと着き、そこにあった人影を確認する。
《え? 本当!? 嬉しいっ》
高い声の女の声が、一段と高くなる。
「いつ遊ぶの?」
《えっとねー》
あれ?
この鞄……?
何気なく通り過ぎるつもりが、鞄が見えたせいでその人影の前に回りこんで見てしまった。