【短編】恋は魔物!?



「は、はぁ!?」



視界には、哲の顔と天井が映る。


ニヤッと不敵に笑い、



「美緒って騙されやすいのな」



と、額に唇を当てる。



「やっ、アホ! もう離せや!」



ジタバタするも、口では勝てても力で勝てるわけのない私はビクともしない。



信じらんないっ!

嘘吐くなんて最低っ!!!



キッと睨んだ哲は、少し困った顔をしながら



「こうでもしなきゃ美緒が大人しくなってくれないんでしょうが」



って、優しい声でセコイよ!



そんな風に言われたって、素直になれるわけがないじゃん。



こんな体勢で……。

こんな顔が近くて……。



目だって合わせれないよ!



< 37 / 46 >

この作品をシェア

pagetop