【短編】恋は魔物!?
「は、はぁ!?」
視界には、哲の顔と天井が映る。
ニヤッと不敵に笑い、
「美緒って騙されやすいのな」
と、額に唇を当てる。
「やっ、アホ! もう離せや!」
ジタバタするも、口では勝てても力で勝てるわけのない私はビクともしない。
信じらんないっ!
嘘吐くなんて最低っ!!!
キッと睨んだ哲は、少し困った顔をしながら
「こうでもしなきゃ美緒が大人しくなってくれないんでしょうが」
って、優しい声でセコイよ!
そんな風に言われたって、素直になれるわけがないじゃん。
こんな体勢で……。
こんな顔が近くて……。
目だって合わせれないよ!