【短編】恋は魔物!?
「な、何わけわからん事言ってんよ。退いて」
少し低くした声で呟くと、そっと離してくれた。
え。
あ、いや。
退いて、って言ったし。
離して欲しいとも思った。
思ったけどね?
まさか、こんな簡単に離してくれるとは思ってなかったから……
ちょっと残念かなって。
あー、もう!
私、矛盾し過ぎ!!!
「美緒ー」
「な、何よっ!」
絶対真っ赤な頬を両手で押さえ、座った私は哲に背を向ける。