【短編】恋は魔物!?
てかさ?
たかがゲームくらいで怒るなっつーの。
短気過ぎるんだよな。
未だゲームに夢中な美桜の背中を見ながら小さく溜息。
俺ん家来て、何時間経ってんだよ?
しかも最近ハマってんのか何なのかしらねーけど。
毎日、ゲームばっか。
甘い……なんて贅沢は言わねーから、せめて話くらいしよーよ。
「なぁー……」
話しかけようとした俺の方を振り返り、
「もう帰るわ」
立ち上がって帰る用意を始めた。
突然の行動に驚いた俺は、
「へっ? もう?」
なんてマヌケな声を出した。
「ん。だって7時からテレビあるし」
テレビーーー!?
ゲームの次はテレビかよ。
俺はテレビに負けたのか。
ガックリ肩を落とす俺の横を素通りして部屋を出る。
「お、おい! 送ってくっ」
慌てて、トレーナーを着て追いかけた。