【短編】恋は魔物!?
私は哲が好きなんだよ。
絶対、口になんて出来ないけど。
すごーく好きだからね?
「哲」
「ん?」
遠慮がちに抱きしめられた隙間から哲を呼ぶと、少し顔を下に向けて。
視線が絡んだ。
「アホ」
そう一言だけ言った私は、哲の胸に顔を押し付けて、ギューって強く強く抱きついた。
「お?」
いつもより少しだけ高い声を出した哲は、遠慮がちに抱きしめていた腕を強めてくれたんだ。
「美緒ー、可愛いー♪」
そう言う哲に本当は言い返したかったけどね。
我慢して心の中で思ったんだ。
哲、好き。
ってね。
-END-
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