【短編】恋は魔物!?
「あ、変な事聞いてごめんね?」
「あ、いえ。彼女…いますけど」
「だよねー。いるよね」
一瞬考えた事は、
もしかして先輩が俺を?
だけど、先輩はバスケ部キャプテンを付き合ってる。
そんな答えで、俺の妄想は消え去った。
「実はね? ほら、あの子」
そう先輩が指差した方向には、髪をアップにした綺麗な子。
ペコッと頭を下げられたので、俺も頭を下げ返した。
「……?」
「あの子がね、哲君がいいなぁーって言ってて。
もし彼女がいないんだったら遊んで欲しかったんだ」
「えっ? あ、そうなんすか」
「うん、でも彼女いるなら無理だよね。
ごめんね、呼び止めて」
「あ、いえ。
あー先輩、謝っといてもらえますか?」
そう言うと先輩はニッコリ笑って、キャプテンのところへと向かった。