真っ白な恋(BL)
「ッ、だって血…」
「………」

全く…しゃあないなぁ…



「どれ、見せてみぃ。 だいたいいい年してそれくらいで泣くなや。」

目の前で泣いている子を放っておくほどの冷徹な人間でもない俺はしかたなく…本当にしかたなく相手に近づき目の前に屈んだ。

「ひぐッ…泣いて、ない…ッ」

…しっかり泣いとるやんけ。


しかし怪我は膝を軽く擦りむいている程度で確かに血は滲んでいるものの泣くほどの重症ではない。


「あー…確かに擦りむいとるが大した怪我ちゃうな。 せやから泣かんでも大丈夫やで?」

「だからッ、泣いて、ないっていってるだろ…っ」


「………」

言っても無駄かと心の中で笑えば傷口を洗うべく肩をかしてやることに。



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