shine!
「単なる客じゃなくて―――ゆずが心を許してる男がいるって考えるだけで、落ち着かなくなる。こんな気持ちは初めてだ。―――嫉妬、なんだろうな、このもやもやした気持ちは」


光の切れ長の目が、ゆずを見つめる。


普段クールな光の眼差しが、熱を帯びているようにゆずを見つめ―――


ゆずは戸惑いながらも、その視線から目をそらせないでいた。


「―――俺は、お前が好きなんだ」


「―――光さん・・・・・」


「答えはわかってるよ。けど―――俺の気持ちまでは、否定しないでくれ。たとえお前が人のものだとしても―――俺の気持ちは変わらない。また・・・・・会いに来てもいいか?」


そっと、光の手がゆずの手に重なる。


ピクリと、一瞬震えるゆずの手。


だけど、その手を振り払うことはできなかった。
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