shine！

バーを出てゆずをタクシーに乗せて見送ると、タケと要はぶらぶらと歩きだした。ここからなら、タケの住んでいるマンションまで歩いて20分ほどの距離だった。


「―――理由はわからないけど、ゆずちゃんはキャバ嬢でいたいらしいんだ」


「キャバ嬢で・・・・・？」


「そう。それもあの店―――『Angie』じゃなきゃだめなんだ。あの店に面接に来た時―――河瀬さんは、最初断ろうとしたらしいんだ。あの店には―――というより、キャバ嬢には向いてないと思って。でも、ゆずちゃんは諦めなくて―――持て余して他の店に行ったらって言う河瀬さんに、ゆずちゃんは言ったらしい。『この店じゃなきゃだめなんです』って・・・・・」


「理由は、聞かなかったんですか？」


「聞いたけど、言わなかったって。いろんな理由でキャバ嬢になる子がいるけど、ゆずちゃんのは他の誰とも違うような気がして―――それで採用することにしたって」