shine!
要はこほんとひとつ咳ばらいをし、ゆずから離れた。


「―――俺は、王子さまじゃないよ」


「わかってます。でも、要さんの髪の色も目の色も栗色がかってて―――肌も白くてきれいで、なんだか傍にいるだけでドキドキしちゃうから」


言われている言葉が全てくすぐったくて、要は緩みそうになる口元を手で覆った。


「―――恥ずかしがるわりには、そういうことよくさらっと言えるね」


「だって・・・・・本当のことですもん」


そう言って口を尖らせるゆず。


―――まったく、掴みどころがない。


照れたり、拗ねたり、笑ったり―――


見るたびにその表情がころころ変わる。


それはまるで―――


そう、小さい頃に遊んだ、ビー玉のようだと、要は思った・・・・・。

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