shine！
ゆずが育ったのは、北海道ののどかな場所だった。


優しい母と、穏やかな父。


ごく普通の両親と、ごく普通の家族として、ごく普通に育ってきた。


ただ1つだけ、普通の家庭と違ったのは―――


父親が何の仕事をしているのか知らなかったことだ。


母は専業主婦だった。


父も、毎朝スーツに着替えて家を出て、夜も7時には家に帰って来ていた。


週末には一緒に出かけたり、夏休みには毎年旅行にも行っていた。


だから、父親がどんな仕事をしているか知らなくても何も問題はなかったし、そんなことはゆずにとってどうでもよかったのだ。


そして、ゆずはすくすくと育ち、保育士になりたいという夢をかなえるため、短大に進学し、無事に卒業。


そのまま地元の幼稚園に就職するはずだったのだが・・・・・。
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表紙・目次

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