shine!
「それにしても、良く調べたね。そこまで―――大変だったんじゃない?」


その言葉に、ゆずは照れくさそうに笑った。


「お父さんにも手伝ってもらったし、なんだか探偵にでもなったみたいでちょっと楽しかったの」


そう言ってぺろりと舌を出すゆずからは、暗い影などみじんも感じられなかった。


本当の親子じゃなかったとわかっても、両親を憎んだりはしていなかったし、もちろん本当の父親に対しても憎しみなどはないようだった。


「だって、わたしのためにずっとお金を送ってくれてたんだもの。感謝はしてるけど、憎しみなんてない。ただ、本当の父親に一度ちゃんと会いたいと思ったの。ちゃんと―――お礼が言いたかった。養育費のことも、それから、両親のことも。あたしは、お父さんもお母さんも大好き。育ててくれたのが、あの2人で本当に良かったって思ってる・・・・・」


そう言って、ゆずは幸せそうに微笑んだ・・・・・。
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