shine!
本当は、あんなこと嘘っぱちだ。


ゆずの住むマンションを出て、1人夜の道を歩きながら、要は考えていた。


泊っていけばと言われて、ぐらつかないなんて、あり得ない。


ましてや、ゆずに言われたのなら―――


だけど、ここで泊ってしまって、もし理性が抑えられなくなってしまったらと、思ったのだ。


せっかく築きかけていた信頼関係を、ここで壊したくはなかった。


小さく溜息をつき、夜空を見上げる。


こんな風に、1人の女性のことを考えるのは久しぶりな気がした。


女友達はたくさんいるし、中には要に想いを寄せてる子もいるけれど。


今は、恋愛よりも仕事の方が面白い。


そう思っていたのだけれど・・・・・。
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