いぢわる王子様
☆☆☆

今、私たちは更衣室の中に3人きりだった。


他には入ってこれないように、鍵をしめている。


「清子さん、授業の途中で抜けたわよね……?」


私の言葉に、清子さんの瞳が少し揺れた。


「えぇ」


「これ、やったの……あなた?」


私は、恐る恐る無様な姿になった自分の制服を指差した。


すると、清子さんは「そうよ」と、表情一つ変えず、自分の仕業だと認めたのだ。


唖然とする私に、律が「どういうつもり?」と、一歩前へ出る。


「『どういうつもり?』その言葉、そっくりそのまま言うわ。碧さんにね」
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