いぢわる王子様
「お前、名前は?」


「……」


「おい、名前は?」


目の前でパンッと手をたたかれて、ハッと我に変える。


「え? あ……山本碧」


「俺、森山すぐる」


森山すぐる……。


その名前が、グルグルと真っ白な頭の中をめぐっていく。
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