いぢわる王子様
私はぼんやりと星を眺めながら、すぐるの顔を思い出した。


ポケットの中の、スーパーボールを握り締める。


すぐる、来てくれないかなぁ……。


「碧、S王子と来たかったって思ったでしょ?」


「えっ……そんなことないよっ!」


慌てて否定する私に、律が笑う。


「碧って本当にわかりやすいんだから」


「おかげで、嫌ってほど律にからかわれてるじゃない」


プゥと頬を膨らませる。


その時だった。
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