いぢわる王子様
私だったら、きっとこんなメールを送る事はできない。


好きな人と、他の女の子との話しなんて、絶対に聞きたくない。


律は、メールの最後をこう締めくくっていた。


《親友の、律より》


「親友……」


その言葉を声に出して言ってみる。


確かに、私と律は親友だ。


もしかしたら律は、それを確認するためにこんなメールを送ってきたのかもしれない。


「律……」


私は、重い体を起こす。


もし、律が私との関係を確認するためにメールを送ってきてくれたなら、このまま隠しているワケにはいかない。
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