いぢわる王子様
「清子……さん?」


「あなた、私にイヤガラセをされる理由を『すぐると付き合っているから』だって、思ってるでしょう」


……違うの?


清子さんの腕が、私の背中をなでる。


その、男性的ななで方に、一瞬身震いした。


「碧さん、私の事をどこまで知ってるの?」


「え……?」


「すぐるや滝野先輩から、少しは聞いてるんでしょう?」


「……大切な人を失ったって……それだけです」


それと、イヤガラセは関係ないと思っていた。
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