いぢわる王子様
☆☆☆

すぐるの家は、いつも通りの豪邸だった。


けれど今日は「靴脱いでいいぞ」と、玄関を入ってすぐ、すぐるに言われた。


「え?」


聞き返す私に、すぐるがスリッパに履き替えていく。


「日本なんだから土足ってのはねぇよな」


その言葉に、私はプッと噴出した。


すぐる自身も、この土足の習慣に疑問があったのだと思うと、なんとなくおかしかった。

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