いぢわる王子様
「おじゃまします」


私はスリッパに履き替えて、この家のどこかにいるであろうすぐるの両親へ向けて声をかける。


「あ、親父たちは海外旅行に行ってるんだ」


「旅行中なの?」


「あぁ。俺が碧と2人でパーティーしたいって言ったら本人たちまで気ぃきかしたんだよ」


「そうなんだ……」


じゃぁ、この大きな家の中私とすぐる2人きり?


トクン。


心臓が、高鳴る。
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