いぢわる王子様
☆☆☆

クラスに入ると、まずは親友の律が大きく手を振りながらかけてくる。


いつもの光景だ。


「おはよう律。ねぇ、これ」


そう言ってさっき降って来たゴミ箱を差し出すと、律はキョトンとした顔をし、その後すぐに大声で笑い始めた。


「なに? なんでいきなりゴミ箱持ってんの!?」


確かに、かなり奇妙な光景だと思う。


けれど、私だって好きでゴミ箱を持ってるワケじゃない。


「さっき、降って来たのよ」


「降って来た?」


律に、ついさっきの出来事を身振り手振りで話して聞かせる。
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