いぢわる王子様
律は、最初は興味深々に聞いていたのだけれど、途中からは首をかしげたり、鼻のあたまをかいたりし始めた。


「ちょっと、真剣に聞いてるの?」


「う~ん……だってさ、それ確かにこのクラス名が書いてあるけどさぁ」


そう言い、律は教室の後方を指差す。


そこには、いつも使っているゴミ箱が、ちゃんとあった。


「あれ!? 何で!?」


「何でって言われても、私もわかんない」


ヒョイッと肩をすくめる律とほっといて、私は教室にあるゴミ箱と、持っているゴミ箱を見比べてみた。
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