時の女神
そう、辺りを見渡せばユイへの視線があきらかにわかる。まるで珍しいものを見るように

フロアにバイオリンの音が響く


「ロキ…様…あのっ私ダンスできなくて…」

「大丈夫ですよ。ゆっくりな曲ですから」



優しくフォローするロキ

「さぁ手を」

「はい」


曲に合わせてユイはロキに体をあずけた
それを見ていたダンテは気分がますます悪くなる


「ダンテ様?いかがなさいましたか?先程から動きが止まりますが…」

「ぁあ…」


ユイが一生懸命ロキに合わせて踊る姿がチクチク刺さる

「ダンテ様…」

マリアは気づいていた
ダンテの上の空の原因を


―ダンテ様はあの娘が気になって仕方ないのね…

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