時の女神
沈むマリアの表情
遠くで見守るカナはそんなマリアを悲しげな目で見つめる

そして…
瓶を握る


「ロキ様…有り難うございました。初めてのダンスでしたが楽しかったです」


綺麗な笑顔がロキに向けられる

「いえ、初めてにしてはお上手でしたよ。」


―華のように笑う人だ…
大輪のようだな。これでは陛下が惹かれるのが解りますね

「ロキ様、少しバルコニーに出てきます。中が少し暑くて…」

「‥‥わかりました。バルコニーの行き方は解りますか?」

「はい、大丈夫です」


人が多くて熱気がこもるフロア

そして‥ダンス中にみてしまった2人の距離

目に焼き付いてはなれずにいた。それを忘れたくてユイはバルコニーに向かった


――ズキズキする…


キィ…とバルコニーに続く扉を開き涼しい風がユイを包む

~♪~
またダンスの曲がフロアに響く


―またダンス…

さっきの光景がフラッシュバックする


―ズキン…

ユイはバタン!と扉を閉じて曲をさえぎった


ズキズキする胸の中
ドレスを強く握りしめて歩き出す

そばにあった白いベンチにすわり深呼吸をして



「痛いよ…ダンテ…」


目を瞑り、涙をこらえた
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