時の女神
唯は下を向いて黙った


「娘…名を教えてはくれないか?」



穏やかな優しい人の声だった


「私は…私は…」


「どうした?」


来ていた制服をギュッと握りしめて思い出せない名前を必死に思い出していた


「ごめんなさい…解らないんです…」


「解らない!?」


朱色の瞳を見開いて驚いていた


ロキも唯を見ていた


「記憶が…ないんです…自分が何者かもわからなくて…」


それを聞いたダンテは黙って唯を見ていた…


広い部屋が沈黙で静まり返った
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