君の声。
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『藤堂ーお前さぁ、何スカしてんの?』
『マヂうぜぇー!』
小学6年生の時、
陸ちゃんはお父さんが亡くなってしまってから、変わった。
いつも音楽を聴くようになった。
ワケを聞いても、絶対教えてくれなかった。
楢橋君とは喋ってた。
けど、なるべく他の人とは喋らなかった。
そんな陸ちゃんを
女の子はかっこいいとか、クールって言ったけど、
男の子は陸ちゃんを気にくわなかったみたいで、
イジメっ子の対象にされた。
『ちょっと来いよー♪』
イジメっ子が陸ちゃんを引っ張って連れていく
私は心配でこっそり後をつけた。
ードンっ
『………』
連れて来られたのは体育館裏
壁に叩きつけられた陸ちゃん。
『お前さ~いっつも音楽聞いてさ?どんなの聞いてんの?』
そう言って、イジメっ子が陸ちゃんのイヤホンを取った。
『ーっやめろ!』
珍しく、陸ちゃんが青ざめた顔をする。
……何?