君の声。





彼の頭を抱え込み、私は叫んだ。




「ぃ、や、いや!いやよ!!」




彼の手首を持ち上げ、裂けた手首の傷を必死に抑える。




私の手にも、朱い液体がじわりと滲む。




ー彼を、死なせない。




その思いが、頭をよぎれば、




私の行動は全て彼を助けようと動いていた。











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