君の声。
†side:雪†
「‥雪ちゃん!!」
「……おばさ‥」
病院に息を切らしながら駆け込んで来たのは
陸ちゃんのお母さんとお姉さんの乃愛(ノア)ちゃん
「雪ちゃん…陸は、陸はどうなったの!?」
陸ちゃんは今、手術室にいる。
あの後私は、すぐに救急車を呼んだ。
それからおばさん達を呼んだ。
手術室の前には陸ちゃんのお母さんと乃愛ちゃんだけでなく、
私の両親やお兄ちゃん。楢橋君と紅ちゃんが来ていた。
「…どうして、どうし、あの子ー‥っ!」
顔を覆って泣くおばさんを、乃愛ちゃんが慰める。
「…バッカ野郎っ‥!」
壁を叩いて、震える楢橋君
俯いて、胸の前で手を組む紅ちゃん
「…陸、」
祈るように、手術室を見る両親とお兄ちゃん
ねぇ、陸ちゃん。
貴方を、こんなにも思う人がいる。
だから、だから
「陸ちゃん…!!」
どうかいかないで。