君の声。
イジメっ子はイヤホンを耳に着けた。
『何だコレ?フツーの曲ぢゃん?つっまんね~!』
『返せよ。』
凄く険悪な表情の陸ちゃん。
今まで見た事のない陸ちゃんの顔。
怖い…
イジメっ子は少し怯んだみたいだった。
奪い返すように陸ちゃんは自分の耳にイヤホンを掛け直す。
『…てめぇ、何だよ!!』
イジメっ子は側にあった、大きめの石を拾った。
『陸ちゃん!』
危ない!!
私はとっさに駆け出して、
陸ちゃんの前に立った。
ーガッ!!
『ー雪っ!!』
痛い…!
こめかみの部分に石が当たった。
『ーぃっ……たぁ…』
石に当たった所に手を当てると、
ヌルッとした感触がした。
ぁ……
『ゅ、き……?』
『ォイ、やべぇよ!』
『逃げようぜ!!』
イジメっ子2人が騒ぐ
何故って、私のこめかみから血が出ていたから
『お前ら』
冷たくて低い、今まで聞いた事のない陸ちゃんの声。
その声に立ち止まるイジメっ子2人。