君の声。
†side:雪†
「雪」
病室で、お兄ちゃんに声を掛けられる。
手術は成功した。
けれど、
陸ちゃんは目を覚まさなかった。
一時、呼吸が止まったらしく、起きても後遺症が残るかもしれないと
そう言われた。
でも、
それでも起きて、ほしい。
陸ちゃん、目を覚ますよね?
「少し休め。家に帰って服を着替えた方がいい。」
あぁ、確かに私の服は陸ちゃんの血で染まっていた。
「…でも、」
「俺が見てるから。
おばさんや乃愛にもひとまず休めてる。」
さっき、楢橋君や紅ちゃんも家に帰った。
深夜に集まったから、ひとまず帰った方がいいのだろう。